うまい鮨勘 一番町支店

副支店長 加藤諒さん

趣味として楽しんでいた料理を、一生の仕事に。そう決めた加藤さんが株式会社アミノを選んだのは、『うまい鮨勘』が地元・仙台でも名の通った寿司店だったから。 「和食の道に進みたい、と思っていろいろ探すと、仙台の牛たん専門店や割烹、居酒屋など、高校生の私でも知っている有名店がたくさん名を連ねていました。その中で、寿司職人という存在にひときわ魅力を感じたんです。料理学校ではなく、高校の普通科を卒業する自分にとっては、経験不問・新卒採用という点も安心でした。何も知らないゼロの状態からのスタートでしたから、給与などの待遇面は二の次。最初は覚える側、教えてもらう立場ですから、目に見えているお金ではなく、経験を積めることが何よりも重要だと思ったんです。だって、身に付いた経験や技術は、決して失われない自分のものになるじゃないですか。入社したからには、すべての技術を吸収しよう。それが最初の目標でした。でも、今になって思えば、他の飲食店さんに見習いとして入るよりも、だいぶいい待遇で迎えてもらってたんだな、と思います」

本物の職人魂は、ひとの喜びのために

加藤さんが入社したのは、2011年4月18日。もともと3月13日に入社を予定していたが、東日本大震災の発生により会社自体も被災し、1ヵ月程遅れての入社。新入社員研修もイレギュラーな状態で行われ、加藤さんは宮城野原支店の厨房に立つことに。 「初仕事は皿洗い。仕事として経験する厨房はまったくの初めてで、先輩たちに教えられることばかりで。それでもできることが少しずつ増えていったら、徐々に信頼してもらえたのかな、いろいろな仕事を任されるようになりました。いちばん最初に包丁を使ったのは、大根のツマづくり。しばらくは桂剥きがうまくできなくて、食感のいい大根サラダばかりできあがりました(笑)。指導してくれる先輩たちのタイプはさまざまで、言葉でひとつひとつ説明してくれる人もいるし、黙ってやりかたを見せてくれる人もいる。それぞれ違うやり方があるから、それぞれ違うタイプの後輩を育てることができるんだと思います。私が一番影響を受けたのは、ここ一番町支店で仕事をご一緒させていただいた寿司職人の千葉さんです。この道40年のプロですが、技術はもちろん、知識もものすごく豊富なんです。以前、“どうしてそんなにたくさんの知識をお持ちなんですか”と尋ねたら、“お客さんに喜んでもらうために蓄えたんだよ”と。“この店に来てくれる方、自分の握った寿司を食べてくれる方をもっと楽しませたい。それに尽きるんだよ”と。その考え方に敬服しました。寿司店は料理人にとっても接客の占める割合がとても多い、珍しい飲食業。コミュニケーションありきの飲食店です。食べている時も常にお顔が見えるので、お客さまの望んでいることをいかに叶えることができるかが職人の力量でもある。そうした中で、美味しい寿司をよりおいしく楽しんでもらうために、千葉さんは知識を蓄え、“うまい鮨勘は美味しくて楽しい”と思ってもらえる店づくりを実践している。私はまだまだひきだしが乏しく、精進が必要ですが、追いつきたい目標です」

愛され、通う人の絶えない個性あふれる店づくり

寿司職人の世界というと、厳しいイメージを抱く人も少なくないでしょう。しかし加藤さんは、「それはある意味正解でもあり、誤解でもありますね」と笑います。「自分も、入社するまでは職人=怖い、というイメージでしたが、先輩方はみんな新人の私にも積極的に話しかけたり、フォローしてくれたり、仕事は厳しいけれど優しく楽しい方ばかりでした。私はこの一番町支店が3店目の職場なのですが、『うまい鮨勘』はどこも店ごとに個性があるんです。

アットホームさが勝つ店もあれば、この一番町支店のように清々しい緊張感が勝つ店もある。だからそれぞれに常連さんがついているのかもしれませんね。お客さまに喜んでもらうことが第一、という考えはすべてにおいて共通なので、どの店舗も働きやすいですよ。また、対面店舗は独自の裁量に任されている部分も多いので、今の時勢を考えれば独立して自分の店を持つより、『うまい鮨勘』の店舗を一つ任されるだけの努力をする方が、将来性が高いかもしれませんね」

日本の食文化・寿司を伝えていく

まもなく入社10年目を迎える加藤さん。現在は副支店長を任され責任ある立場に。 「まだまだ昨日より今日、今日より明日、おいしい寿司が握れるように、もっとお客さまに喜んでもらえるように、という修業の日々ですが、“また来たい”“おいしかった”と言ってもらえた時には大きなやりがいを感じます。いつも来てくださる方が、子供が生まれた時に一緒に喜んでくれたこともとても嬉しかった。レジャーシーズンにはなかなか休めなかったり、家族に不便を感じさせることもありますが、休みや就業時間などは会社としてとても配慮してくれてると思います。職人は身体が資本なので、そこを分かってくれてるんですね。今の自分の目標は、少しでも自分の理想の接客や感銘を受けた言葉に少しでも近づくこと。そして、教えていただいた大切なことや技術を伝えていくために、後輩の育成も大事にすること。寿司は、日本の食文化の中でも品格と歴史のある食文化です。それに興味を持っている人なら、誰でもきっと頑張れると思います。忍耐力、体力に自信のある方ならなおいいですね。私自身もゼロからのスタートだったので、経験がなくても大丈夫。一緒に成長していければ嬉しいです」

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