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棘の中には黄金色のとろける旨み

ウニの仲間は800種を優に超えるほどいますが、食用にされているのは10種にも満たぬほど。中でもエゾバフンウニ・バフンウニとキタムラサキウニ・ムラサキウニがウニの両雄とされており、三陸はキタムラサキウニ・ムラサキウニの特産地として知られています。

女川の老舗が手塩にかけて育む

ウニは雑食な生きものですが、それだけに何を食べて育ったか、でその味わいが大きく左右される食材です。孵化してしばらくはプランクトン状で海中を浮遊していますが、その後は海底や岩に張り付いて生息し、移動はかなりゆっくり。見た目通りアクティブな捕食はできないので、主に昆布やワカメといった海藻を食べて成長します。それゆえ、北海道の利尻島周辺や三陸地域といった昆布、ワカメの名産地はそのままウニの名産地となっているのです。

『うまい鮨勘』で味わえるウニは、女川の「片倉商店」が養殖・水揚げしたキタムラサキウニ。親潮と黒潮がせめぎ合うリアスの海で、長年かけて培った養殖の技術。「量より質」をモットーに、美しい海を守りながら熟練の職人技と最新の機器の両輪でウニを生産しています。「ウニは鮮度が落ちてくると融けてしまう食材。それを防ぐためにミョウバンやアルコールを使うのが一般的なのですが、片倉商店さんのウニは身崩れもなければミョウバンの苦みやえぐみもない。海から揚げたそのまんまのおいしさを、寿司に握ることができるんです」と髙橋さん。

寿司の王者、ウニの実力

粒のかたちがきれいに揃った生のキタムラサキウニを、軍艦巻きに。海苔は創業当時からこだわり抜いた有明産です。「これほど良質なウニだと海苔を使わない握りもおすすめですが、海苔の香りや風味との相性はやはり出合いもの。海藻を食べて育ったウニですから、合わない訳がありません」。ぱりっと焼かれた有明海苔の風味とウニの甘くとろける味わいがシャリ一粒一粒を包み込んで、思わずうっとりするほどのおいしさです。旨みの濃さは寿司ネタの中でも一、二を争う存在ですから、ぜひ塩でストレートに味わってください。

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profile-image うまい鮨勘 総本店
髙橋勇吾 店長

石巻市出身。16歳で板前を志し、以来、職人一筋40年。何事も“いい塩梅”を心掛け、その魚本来が持つおいしさを十分に引き出すことを常としている。朗らかな人柄、確かな腕はカウンター席にたくさんの常連を生み、「勇吾店長が握る寿司が食べたい!」という声も多い。

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