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旨みたっぷり、滋味たっぷり。極上の真牡蠣

真牡蠣は、日本のみならずたくさんの国でさまざまに料理され愛されている食材です。「海のミルク」と呼ばれるゆえんは、牛乳と同じくらい栄養が豊富なこと。亜鉛や18種ものアミノ酸、タウリンにグリコーゲン、多彩なミネラルなど、まさに万能な栄養食品と言えるでしょう。

牡蠣が育つ海の水は甘い!?

「水が甘い海の牡蠣はうまい」。昔からそう言われている理由は、一般的な海水の塩分濃度が3.5%であるのに対し、牡蠣が好む塩分濃度は1.3%と低いこと。三陸のリアスの海にはいくつもの河川が複雑に流れ込み、内湾の海を“甘く”します。だから三陸の牡蠣は甘みが強くミルクのように濃厚で栄養価の高いものになるのです。『うまい鮨勘 総本店』の髙橋店長は、数ある名産地の中から岩手県山田湾の真牡蠣を選びました。

「山田湾は春になっても海水温が低いから、牡蠣の旬が長く楽しめるんです」。そう言いながら髙橋店長が手にしたのは、牡蠣や帆立の殻を剥く専用ナイフ。二枚貝である牡蠣の殻の合わせ目を探り、貝柱の位置を確かめるとそこにナイフを差し入れ、貝柱を切り離します。ぱかっと開けば、大ぶりの身が潮の香りとともに現れ、透明感たっぷりにぷるんと揺れました。

海の滋味が潮のように押し寄せる

3年から4年の歳月をかけてじっくり育った山田湾の真牡蠣。海の塩気だけで他には何も調味料がいらないほどに旨みが強く、コクたっぷり。ぷるんとした身は歯切れよく、貝柱の部分も噛むほどにじわじわ旨みが湧いてきます。生はもちろん、焼いてよし、天ぷらも最高。同じリアスの海を故郷に持つ日本酒を合わせ、後をひく旨みをさらさらと洗いながら楽しみましょう。

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profile-image うまい鮨勘 総本店
髙橋勇吾 店長

石巻市出身。16歳で板前を志し、以来、職人一筋40年。何事も“いい塩梅”を心掛け、その魚本来が持つおいしさを十分に引き出すことを常としている。朗らかな人柄、確かな腕はカウンター席にたくさんの常連を生み、「勇吾店長が握る寿司が食べたい!」という声も多い。